現代はSNSなどインターネットを通じて自身の作品を世に出せる手段が増えています。 FWAPを通じたアーティストの活躍の場の提供と、まちの賑わいに創出の取り組みに強く魅力を感じています。私自身、福岡出身というゆかりもあり、この素晴らしいプロジェクトに審査員として関わられることを光栄に思います。
かつて美術の道を志しながらも途中で方向転換した私ですが、今は社会というキャンバスに起業という形で自らの思いや価値を提供するサービスを通じ、新たな創造の形を見出しました。
FWAPに応募された皆様、そしてこれから挑戦を考えている方々へ。自身を表現できる、自分だからこそ描く意義のある作品をこれからも創っていっていただきたいです。
一枚の画像データから読み取れる情報は限られている。例えば、マチエールやテクスチャー、支持体やその側面、光の反射や屈折など、本来作品が有していたかもしれない物質性が失われている。このような加算混合(RGB)の画像を手掛かりに、作品の選定を行う。ところが、私に審美眼がないからなのか、正直なところ、これだけでは作品の良し悪しをはかりきれない場合がある。そこで重要になってくるのが、コンセプト文やポートフォリオ・作品集などの二次的・付随的な情報である。特にポートフォリオは作家の経歴や過去の活動を知ることができるため、非常に大きな判断材料となる。このような情報が効果的に提示されている作家の作品は評価し易い。一枚の作品の力を信じたいところではあるが、選定プロセスの実情はこのようなものである。
私も現在、福岡を拠点とする作家の一人であるが、応募者の皆様と共に、この地におけるアートの進化発展に微力ながら貢献できれば幸いである。
この度、Fukuoka Wall Art Project の審査に携わらせていただき、こういったPrizeはアーティストの皆さんにとって非常に有意義な機会だと改めて感じました。
賞金や、露出が増えることはもちろん魅力的ですがそれ以上に、普段黙々と自身と向き合い制作しているアーティストにとって、自分のやっていることを他者に対してきちんと説明し理解してもらう作業はプロとして必須だと思います。誰でもSNSで世界と繋がれる時代に、身を粉にして向き合っているものを説明できないなんてもったいない。
「なんか素敵」や「なんとなく好き」を言語化して、「なぜそれを自分がしなければならないのか」を相手に共感してもらうための努力は、ビジュアルアートの方法に限らず言葉でも、態度でも表現すべきと私は考えます。その努力をした上で、それでも言葉では伝えきれないものがアートとしての魅力を放つのではないでしょうか。
Fukuoka Wall Art Projectをきっかけに他者に伝え、共感してもらうことの意義をより感じていただきたいですし、この素晴らしい機会が長く続いていくことを期待します。
「Fukuoka Wall Art Project」は、今年で4回目となった。しっかり時間をかけて討議を重ねた上での審査結果なので、屋外にふさわしい鮮やかな作品から、地味ではあっても通り過ぎることができない作品まで、よいバランスで選考することができたと思う。
回を重ねることで感じることの一つが、継続して応募しておられるアーティストの存在感である。年に一度の便りを読むようで、作品の変化を感じ取ることができる。倦まずたゆまず応募してくださるアーティストの皆さんが、この賞を支えてくれていると思う。
一方で、たくさんの新たな出会いもあった。ただし、初見のアーティストについては応募作品だけでは判断がつかないこともままあり、そうした場合には、ポートフォリオの充実度が選考に大きく関わってくる。そこにアーティストの実力や本気度が如実に現れるからである。今年はじめてチャレンジされたアーティストの皆さんには、ぜひ、これからも、毎年いろいろと試しながら、粘り強く応募し続けてもらいたい。
(掲載五十音順)
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Fukuoka Wall Art Project 運営事務局
MAIL:fwap@break-net.com
TEL:080-2115-0787(平日10:00~16:00)