私は、社会の世相を表した表現のひとつに都市風景画があると考えている。かつて印象派はパリの都市を描き、日本では高橋由一や松本竣介らが多くの都市を描いた。それぞれ、その時代の記録であり同時に作家たちの心象や現実を表している。
本作は何気ない日常に存在する倉庫を題材に制作を行った。使い古され劣化した扉や風化していく壁はこの建物が刻んだ歴史を表している。劣化が進むこの建物はあと何年ここにあり続けるのだろうか。私はこの絵画を通じて私が活きる社会の世相や自身の心象を表現していきたい。
材質・画材
キャンバス・アクリル
吉井 宏平
1987年福岡県福岡市生まれ。2009年に九州産業大学芸術学部美術学科を卒業し、同大学大学院に進学。2013年に博士号(芸術)を取得する。その後、福岡を拠点に作家活動を行い、個展を9回開催(福岡7回、東京2回)する。アクリル絵の具を中心に様々な画材を用いながら都市風景を描き続けているが近年、ペン画で地面を描き始めるなど作風が変化しつつある。現在は福岡市立福翔高等学校で指導教諭として教鞭を取りつつ作家活動を行っている。
主な受賞歴、展示歴など
個展
2010 |
ギャラリーSEL |
2012 2014 2016 2019 2023 |
アートプロGALA |
2019 |
福岡市美術館 |
2012 |
ギャラリー銀座フォレスト |
2015 |
アートスペース羅針盤 |
グループ展
2008 |
アクリル美術大賞展 2008 美術の窓賞 |
2009-12 |
第27-30 回上野の森美術館大賞展 入選 |
2012 |
第11回南島原市セミナリヨ版画展 読売新聞長崎支局賞 |
2012 |
清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ 優秀賞 |
2013 |
第12回南島原市セミナリヨ版画展 長崎県教育委員会賞 |
2014 |
シェル美術賞 2014 木ノ下智恵子審査員奨励賞 |
2014 |
青島国際芸術ビエンナーレ 招待出品 |
2015-17 |
FACE展 入選 |