「福岡ウォールアートプロジェクト」も回を追うごとに応募総数は増え、作品表現が多様化するなどますます充実してきております。「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」によって街が大きく変わる節目に、アートで道往く人々の目を楽しませるという本プロジェクトの意義深さを改めて感じております。過去2回はコロナ禍の影響を強く受けた作品が目立ちましたが、本年はそうした忍耐の時を経て、生きる喜びを描いた作品や、身近な事物や事象を貴重な存在として改めて問い直す作品、あるいは福岡の歴史や都市の魅力に焦点を当てた作品など多くの印象深い作品と出会うことができました。
また、入賞作品は「Art Fair Asia FUKUOKA」での販売も予定されております。鑑賞する楽しさに加え、作品を購入し共に暮らす豊かさをより多くの方々に体験していただきたいと思っております。本プロジェクトをきっかけとして、活躍の場を拡げたアーティストも少なくありません。応募された皆様全員の更なる進化・発展を心よりお祈り致しております。
福岡ウォールアートプロジェクトも2023年で3回目をむかえ、すこしずつ定着してきたようだ。地元で活躍するアーティストや学生が応募が増え、意欲的な作品が集まり審査は楽しかった。
わたしは、実際に街のなかで展示されている様子を想像しながら審査させていただいた。過去の資料も参考にした。デジタルデータで画面の詳細が読み取りにくいものは、とくに過去の作品複数の状況を比べて検討した。資料は面白いが応募作品は微妙、という場合もあった。街のなかに掲示される機会なので、それを意識したものに得点を入れた。
デジタルデータで評価され、展示も拡大されたデータではあるが、そのもとになる作品の実物が展示される機会が用意されている。構図や色彩の具合だけでなく、アーティストの意志がこもった実際の作品に接することができる場があることが、毎回、とても楽しみである。
次こそは、実際に壁画を描くような展開にならないかと期待を膨らませている。
年々成⻑するAFAF と合わせるかのように、FWAP のエントリー作品も変化しているように思います。国内で数多く⾒られるようなマンガのようなものや、ストリート系といったサブカルチャー的なものが少なくなり、本来のアート作品と⾔って良い作品の⽐率が⾼くなってきました。
アーティストが制作活動を続けることでもっとも⼤事なことはギャラリーに認められ、ギャラリーとともに仕事をしていくことだと考えます。そうした意味でも、今のアートマーケットを⽀えるアートフェア会場に展⽰される機会はとても⼤きいはずです。その重みを意識している参加者がどのくらいいるかが重要です。アートが持つグローバルな価値観の必要性をより感じさせてくれるでしょう。さらに、私がアートに求めるたとえば圧倒するぐらいの深さであったり、ある種の重さを感じさせる、そうした偉⼤なアート作品との出会いを願っています。
3回目の今年は、充実した作品が多く寄せられ、入賞者・優秀賞の決定についても、審査員の意見が大きくずれることはなかった。毎回応募される作家のなかには、出品のたびに作品の見ごたえが増してきたと感じられる例もあって嬉しく思った。また、すでに確固とした評価や実績のある作家の応募があったこともあわせて、このプロジェクトがひとつの発表の場になりつつあるのではないかと感じられた。
実際に、街なかで掲出される大画面の作品画像は目を引き、思わず知らず眺めてしまうことが多い。作品が不特定多数の人の目にさらされるということは、ある意味で巨大なポートフォリオ(1枚だけではあるが)をさまざまな人に見せる機会でもある。そこにはおそらく、想像もつかない出会いや、次につながる可能性があるだろう。今後もぜひこの機会を活用してもらいたいと思う。
(掲載五十音順)
(掲載五十音順)
Fukuoka Wall Art Project 運営事務局
MAIL:fwap@break-net.com
TEL:080-2115-0787(平日10:00~16:00)