私は、<いと>を1つのテーマに制作しています。<いと>とは”物語”をそれ以上遡ることができない位相まで細分化した最小単位で、これが人間存在を根本的に規定していると前提しています。作品はその<いと>の流れを視覚的な縦の帯状に表現しました。すべての物質は波の流れです。不変のものは何一つありません。この作品も、永遠に残って欲しいと願っても、そうした「流れ」の中でやがて朽ちるでしょう。ところで、それこそが私の「美」の定義なのです。そしてこのストーリー自体もまた一つの<いと>なのです。
材質・画材
キャンバス 油彩
津田 翔一
1984年/長野県生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。いまどき珍しい、油彩表現中心の活動をしています。その理由は、生理的に自分に合っているからです。表現内容では、考古学や地質学的な要素を用いるなど、分野横断型ではあります。ただし、少なくとも表現活動で一貫しているのは、社会に新しい概念を生み出そうとしていることです。例えば、作品コンセプト文にあるような<いと>や<洞窟>等です。「アート」の社会的側面は、新しい概念をもたらし個々人の意識から変えていく力のことなのです。
主な受賞歴、展示歴など
2009年 |
サンフランシスコ号漂着400周年記念公募展 大賞(千葉) |
2011年 |
第5回V.A.A.Dビジュアルアート大賞 最優秀賞(福島) |
2014年 |
トーキョーワンダウォール2014(東京) |
2015年 |
群馬青年ビエンナーレ2015(群馬) |
2021年 |
第23回雪梁舎フィレンツェ賞展(新潟、東京) 【個展】油彩画展 ~明るい洞窟~(長野) シェル美術賞展2021(東京) |
2022年 |
【個展】油彩画展 ~+ 覚知 ka~(長野) 【グループ展】市内作家によるアートグループ展2022(長野) |
2023年 |
若手作家公募個展 トライアル・ギャラリー2023(長野) |