眠っているはずなのに、気がつくと自分がどこか知らない場所に立っていたり、家の外を歩いていたりするような体験──医学的には「睡眠時遊行」とも呼ばれる現象──を繰り返していました。夢と現の境界があいまいになり、生身のままその世界に迷い込んでいたのだと思います。この作品は、そうした記憶をもとにしたシリーズです。私はこの作品を通して、自分の中に眠る記憶や感覚をたぐり寄せ、かたちにしました。曖昧で、はっきりとは掴めない、しかし確かに自分の中に存在している。そんな記憶や感情に触れたとき、人は初めて「自分」という存在の奥行きに気づくのかもしれません。
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