生まれ育った長野県長野市信更町三水の「川久保沢」と呼ばれる山中の森を描いた。そこは杉の植林がわずかに見られるものの、ほとんど人の手が入らない野生の森であり、私にとっては窓を開ければ日常的に目に入る、最も身近な風景でもある。 この作品は、身体や記憶の奥底に蓄積された森の色彩、光、空気の湿度、森の中で響き合う音の数々を辿りながら描くことで、私自身の要素(感覚や記憶等)を媒介とした「純粋な風景体験」を定着させた。作品全体に広がる青や紫、深い緑の色調は、時間帯や天候、わずかに差し込む光によって刻々と変化する森の表情を反映し、生命の輝きと時の流れ、そして記憶が重層的に積み重なる様を示唆している。 川久保沢の森と、私自身の体験とが結びつき、静けさの中にうごめく無数の気配を孕んだ、動的な風景として立ち上がっている。
キャンバス・油彩
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