FWAP Fukuoka Wall Art Project 2025

2025年度受賞作品

選定委員評

家入一真

今年は、昨年にも増して実に多様な作品が集まりました。これは、FWAPの活動がより広く認知されてきた証であると同時に、「自分の表現を届けたい」という思いを持つ方が増えていることの表れだと感じています。 今回の審査にあたっては、作品が多くの市民の目に触れる“ウォールアート”であるという観点を重視しました。重厚な油彩画から、写真、CGイラストまで幅広い表現が寄せられましたが、単に「描きたいものを描く」ことにとどまらず、街の中に置かれたときにどのように輝き、人々の目や心を引きつけるか。その視点を意識した表現こそが、公共空間におけるアートの力を最大限に発揮するのではないかと思います。

栗山斉

選定する立場にあっても、自らの審美眼に疑問を抱く瞬間は少なくない。その際、作家の制作背景や過去の作品傾向を把握できるポートフォリオの情報は、評価判断の大きな助けとなる。しかし一方で、そうした情報が先入観を生み、一枚の平面作品が有する純粋な力を見極めにくくする可能性も否めない。 また、本事業は公共空間への設置を前提としているため、作品の完成度や芸術的強度に加え、鑑賞者への印象や設置環境との親和性も重要な評価軸となる。たとえ優れた作品であっても、暗いトーンやネガティブな印象を伴う場合、評価に影響が及ぶ傾向がある。 元来、芸術作品は外部から公共性を要請されるべきものではない。しかし、芸術と公共性の関係は決して単純ではなく、作家自身はもとより、作品を鑑賞する人々や街で暮らすすべての人々が、それぞれの審美眼を育みながら、公共性という空間的・感覚的価値を共に形成していくものである。 今後、福岡の公共性がさらに豊かで魅力あるものへと発展していくことを、心より願っている。

李沙耶

今年から応募にあたりポートフォリオの提出が必須となりましたが、審査をする際、かなり参考になりました。提出作品の一画像のみでは分かり得ない、アーティストの皆さんの背景を知ることで、何をしたいのか・どういったことを大切にされているのかが伝わりやすかったです。感覚や感性で通じ合うこともアートの面白いところですが、せっかく現代に生まれ、言葉や画像、デジタル技術を使って自分自身のプレゼンテーションを補強する機会があるのですから、プライズに関わらず作家活動を続けていく上で、相手に伝えていくための努力を惜しまないでいただきたいです。できる限り様々な方法を駆使して説明し、それでも溢れ出る形容し難い美を感じる作品こそ魅力的だと私は思います。

岩永悦子

今回は5回目の開催となり、応募者も資料もよく整えてエントリーされていると感じた。応募作品の粒も揃ってきたように思われる。審査にあたっては、各審査員があらかじめ採点してはいるが、みな最終審査での合議を重視しており、忌憚ない意見を交わしている。第一義的には応募された作品そのもので審査はするが、真摯に作成されたポートフォリオからにじみ出る、それまでの活動の充実ぶりや、作家の力量の安定度、あるいは今回の飛躍度なども重要な要素である。作家が自分の発想に向かい合っているか、制作を機械任せにすることなく、 手を動かしているかを見きわめて選んだ。制作の巧拙や熟練度は大事な観点ではあるが、今、この時代に、見るべき何かを内包した表現であるのか、という視点が優秀賞入賞のラインとなった。来年に向けて期待するのは、ポートフォリオの平均点を超える作品の出品である。最近作や手持ちの作品でなく、最高傑作のエントリーを楽しみにしている。

過去の受賞作品

2024年度受賞作品 | 2023年度受賞作品 | 2022年度受賞作品 | 2021年度受賞作品

2025年度 Fukuoka Wall Art 賞
受賞作品一覧

優秀賞

(掲載五十音順)

入賞

(掲載五十音順)

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